含硫アミノ酸と解毒(1) タンパク質は我々の体の臓器や筋肉、ホルモンや酵素を形成する大変重要な成分です。このタンパク質はアミノ酸から構成されており、アミノ酸の組み合わせの違いによって様々な種類のタンパク質が存在しています。自然界ではおよそ500種類のアミノ酸が発見されていますが、そのうち20種類のアミノ酸の組み合わせにより10万種類ものタンパク質が構成されています。 アミノ酸のなかでも構造中に硫黄(S)を含むものがあり、これらを含硫アミノ酸といいます。具体的にはシステイン、メチオニンがこれにあたります。含硫アミノ酸には水銀やカドミウムなどの有害金属をくっつける作用があるため、体内の有害金属を排泄する作用があるといわれています。 我々が日々口にする大部分の食べ物には必ずと言っていいほど、農薬、環境ホルモン、有害重金属等の人体に有害な化学物質が含まれているのが現状です。しかも、環境汚染によって水や空気までもが汚染されているので、現代の生活において有害化学物質を全く取り込まないことは不可能と言えるでしょう。 体内に取り込まれたこれらの有害化学物質は、体の正常な代謝を妨害するなど様々な不調をもたらすと言われています。そこで私たちができることは体内からこれらの化学物質を積極的に追い出すことではないでしょうか。 先程述べた含硫アミノ酸には体内の有害金属を排泄する作用があるので、これらを多く含む食品、イワシ、サンマ、アジなどの青魚等や大豆、大豆製品を積極的に摂っていくことが体内解毒につながります。 他にもセレン、ビタミンC、食物繊維の摂取や発汗等によっても有害化学物質を体外へ排出、または毒性を弱めることができると言われています。 また、ファスティング(断食)も有害化学物質を体外へ排出すると言われていますが、さらに内臓を休めさせることによってその機能を回復させる効果等もあり、現在注目されています。自分自身の健康維持のために、何らかの方法で積極的に有害化学物質を排出させることが私たちには必要ではないでしょうか。 含流アミノ酸と解毒(2) 最近何かと話題になっているデトックス(解毒)ですが、今回は「硫黄を含むアミノ酸=含硫アミノ酸」で解毒というお話です。テレビで取り上げられている断食道場や泥パックでの解毒は少々手間がかかりそうです。また、ほうれん草やリンゴなど有機野菜を使った解毒ジュースは飲みにくく長続きされない方が多いようです。 もう一つの方法として、セレン・亜鉛・ビタミンCなど、含流アミノ酸を多く含む食品やサプリメントを摂取して毎日の生活の中に手軽に解毒を取り入れてみてはいかがでしょうか。 ●キレートとは、体内から(有害)ミネラルや老廃物を取り除く方法の一種で、Chelationの「Chele」はギリシャ語で「爪でつかむ」を意味する。キレート療法の用途は、体内に蓄積された水銀などの重金属を排泄などがある。アミノ酸、ハーブ類による「ナチュラルキレーション」が人間の体に副作用のない方法として注目されている。 ●含流アミノ酸を多く含む食品は、イワシ・サンマ・アジ・青背の小魚。硫黄化合物である硫化リアルは、ニンニク・ニラ・ネギ・タマネギなどに多い。 ●アミノ酸は体内でどのように吸収されるか
≫≫タンパク質はアミノ酸として利用できるまでに3〜4時間かかる。高齢者は消化酵素の分泌量が少ないので、さらに時間がかかる。アミノ酸として利用される前に体外へ排出されてしまう量が多い。
○胃酸による分解 ○腸壁のバリアー能力 ○腎臓の血液ろ過・有害物質の除去 ○皮膚の新陳代謝、皮膚呼吸、発汗による毒素の排泄
≫≫◇ファスティングによって脂肪を燃焼させ、脂肪組織内に取り込まれた有害ミネラルやダイオキシンを体外に排出させる。
≫≫◇ファスティングによって内蔵機能を回復し、本来の解毒能力を高める。 ≫≫◇栄養素の吸収を妨げる有害な物質を体外に排出し、正常な代謝を取り戻すことが重要である。
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