足の甲高・ハイアーチの問題について。 京都南カイロプラクティック研究所 

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ウォーキング/腰椎椎間板ヘルニアとハイアーチの関連/あなたの知らないことは見過ごしてしまう.Dr.グッドハート/京都南カイロプラクティックWebsite

ウォーキング/腰椎椎間板ヘルニアとハイアーチの関連/あなたの知らないことは見過ごしてしまう.Dr.グッドハート/京都南カイロプラクティックWebsite

「あなたの知らないことは見過ごしてしまう」これは今から15年ほど前になりますが、ドクターグッドハートの講演時の一節です。そのときに聞いたこの一言が、今でも私の頭をよぎります。このページからは、驚くほど多く存在する「変形」のトピックについて触れますが、臨床上、まさしく見過ごしてしまいそうな問題です。

モーションパルペーションにより、正常な可動性が消失した関節を検出し、次に可動性の改善を目的にマニュピレーションを施します。するとほとんどの場合は正常な関節運動を取り戻します。しかし時間の経過とともに再び同じ関節の可動性が減少するようであれば、その原因は歩き方の問題であったり、また見過ごされやすいある変形がその原因となっていることもあります。

ウォーキング/腰椎椎間板ヘルニアとハイアーチの関連/あなたの知らないことは見過ごしてしまう.Dr.グッドハート/京都南カイロプラクティックWebsite変形と言えば、「そんなの見た目で分かるでしょう」といった声も聞こえてきそうですが、実は足を観察して分かる単純なものではありません。立位で今見ている足は構造的に何らかの問題があり、実は代償を受けた状態であることも少なくはないのです。これが見過ごしてしまう大きな理由です。次のページではこれらの問題について詳しく述べることにします。

左の写真は、30代男性の患者さんの左足部です。見た目は正常とはいいにくいのですが、一般的にはハイアーチと呼ばれています。しかし、正確に横足根関節をロックした状態を計測しますと、いわゆる「硬直性の第1レイ第1中足骨と内側楔状骨)の底屈変形」であることが確認できました。

それを裏づけるように、第1・第5中足骨下と踵下の内側に顕著なマメが形成されていました。ちょうどカメラにつける三脚のような状態で、普段体重がかかっていたと示唆されます。また、このタイプ特有の歩行モーションを考えると、その部位にマメが形成される理由は容易に理解できます。

非荷重位での検査により確認できたことは、実は非荷重位で検査をするずっと以前から、荷重位で再現(実証)されているのです。

この患者さんは、腰椎椎間板ヘルニアで入院(保存療法)の既往歴を持ち、慢性的な腰痛と両下肢の疲労感を訴えて来院されました。歩行モーションを観察すると、当然のように距骨の適切な回内が見られず、膝関節の代償性の過伸展が常に見られます。この写真を撮ったときは、既にオーソティックスをつけてもらい、1年ぐらい経過しています。このためアーチの隆起も、最初の治療時と比べると、この状態でも随分と下がってきました。足根部にあるひとつひとつの骨の可動性も、比較にならないほど改善しています。

ウォーキング/腰椎椎間板ヘルニアとハイアーチの関連/あなたの知らないことは見過ごしてしまう.Dr.グッドハート/京都南カイロプラクティックWebsite次の写真は20代前半の男性の左足部です。先の写真と同じように、一見ハイアーチと片づけられそうですが、アーチが隆起する原因とその形成過程は、先の例とは全く異なっていることが検査の結果判りました。

症状も異なっていましたが、共通した訴えは、腰痛と足の痛み・疲労感でした。お二人とも、中足骨の傾斜角度が大きいため、足の裏を浮かさずに床につけたままで、お尻を下げる(しゃがみこむ)、ちょうどスクワットをする動作が完全にできません。下腿部の角度で分るように、非荷重時における足関節の背屈角度が正常であっても関係ありません。

このケースも、可動域が制限された隣接する足根骨に対する治療と、適切なオーソティックスが必要でした。治療を継続するうちに、足根骨の可動性や、親指を上に挙げたときにできる「縦アーチのしなり」も見られるようになり、腰痛の改善、スクワットも支障なく出来るようになりました。

このように書いていると、なにか自慢話を聞いているような印象が残るでしょう。すこし意図的に書いています。(笑)足のバイオメカニクスを考えるきっかけになればと思っているのです。残念ながら我が国では、靴に対しても同様のことが言えるのですが、足元を軽視する傾向がまだ多く見られるのが残念に思います。

個人的な考えですが、「歯」に違和感を持てば歯医者さんへ、「お腹」であれば内科の先生へと足が向くものです。しかし、「足」に違和感を覚えても、いったいどこへ行けばよいのか、反射的に思い浮かびません。このような理由も手伝って、「もうすこし様子を見ようかと」考えているうちに、痛みさえなければ、足のことはやがてすっかりと忘れてしまいます。確かに、ニ部脊椎や脊髄損傷などの脊髄障害や、神経疾患などの合併症で、治療を困難とされるケースも存在しますが、その多くは「手を打つことが出来ない」とあきらめる対象ではなく、足部にある個々の関節の僅かな運動に目を向けるだけでも、なんらかのアプローチが残されていることに気づきます。

重力に拮抗して立っている(建っている)という点で、人間と建築物は共通する部分はきっと多いはずです。であるなら、建物の基礎である〈土台〉を軽視して図面を描く、そのような設計士さんはいないはずです。同様のことはカイロプラクティックについても言えるでしょう。人間という構造物の土台である、「足」についての機能を軽視することはありえないでしょう。

さて、「あなたの知らないことは見過ごしてしまう」から、話しが逸れましたので元に戻します。上の写真でも分るように、足部の変形の態様により、静止時にはハイアーチであったり、また扁平足であったりという具合に、通常は変形を代償性した“見慣れたかたち”で、私たちの目に飛び込んできます。歩行時の足部には、それを代償した異常な運動が見られます。このような見慣れたハイアーチや扁平足であったとしても、それは第1レイの底屈変形、前足部の内反変形(Forefoot Varus Deformity)などを代償している可能性があります。また扁平足の場合、単に足のアーチを支える筋力が低下しているだけかもしれません。ここでも鑑別診断が重要となり、私たちの能力が問われるところです。患者さんが足部に異常を訴えなければ、そのままの状態で置き去りにされることも多いでしょう。

当院でオーソティックスが必要と考えるケースは、次の状態が確認できたときです。前足部内反変形(Forefoot Varus Deformity)、前足部外反変形(Forefoot Valgus Deformity)、後足部内反変形(Rearfoot Varus Deformity)、第一レイの底屈変形などです。

オーソティックス装着の際には、どうしてそれを必要とするのか。前足部の内反であれば、どのようなメカニズムで代償性の大腿骨内旋から腰椎部の過剰前彎を引き起こすのか等を、図譜や関節模型を利用して、患者さんに分かりやすく説明するよう心がけています。また、足部から頭蓋骨・顎関節に至るバイオメカニカルなストレスの連鎖により、具体的にどのような症状を呈するか、さらに説明を加えてゆきます。

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