問診とは、患者さんに病歴や現在の症状等を問い尋ねて、痛みなどの障害の原因を確定し、治療方法を選択する為の検査法のひとつです。
初めての来院時には、問診を的確に行うための予診表(予備調査表)に必要事項を記入していただきます。この調査表を参考にして、一番困っておられる症状(主訴)が発病した年月日から、突然起こってきたのか、徐々に悪化してきたのか、また誘因や随伴症状の有無など、現在に至るまでの経過を出来るだけ詳しくおたずねしてします。
次に今までどのような病気にかかったか(既往歴)、症例によっては家族の病気(家族歴)遺伝的体質等を注意深く聞き取り記録していきます。
趣味や睡眠時間、食物の嗜好、日常生活動作など多岐にわたってお尋ねする理由は、習慣的な姿勢や日々の生活の中に訴えの原因が潜んでいる事が多いからです。どんなことでも恥ずかしがらず遠慮せずにお話して下さい。意外に思われるかもしれませんが、些細な事柄から疾患のおおよその見当がついたり、治療の方針がたてられることも少なくありません。
これは疾患の多くに特有の発症様式があるためで、多数の病態を生理学的に理解することにより分析し鑑別していくことができます。適切に病歴を聴収できれば、原因が60%から70%位判ると言われるのもこの為です。
私の所属するNCA(日本カイロプラクティックアカデミー)の3年間の基礎医学課程を修了された先生方であれば、腰痛の患者さんの来院時に、「骨がズレているのが原因だ」なんて短絡的な発想をされる方はおられません。どの先生方も腰痛を起こす病気として、次のような疾患が走馬灯のように頭のなかを駆け巡るはずです。腰椎分離症または腰椎分離辷り症、腰椎椎間板症、脊柱管狭窄症、脊髄腫瘍、脊椎腫瘍、腰椎骨折、腰椎椎間板ヘルニア、硬直性脊椎炎、リウマチ性脊椎炎、骨粗鬆症などです。
このような疾患で、他の分析結果など総合的に判断して、器質的な問題が疑われカイロプラクティックでの治療が困難であると考えられるケースもときにはあります。このような場合、当院では特定の医療機関と、専門医による診察やヘリカルCTなど、症候に応じて各種検査をしていただけるよう提携を結んでいますので、専用の紹介状を書くようにしています。
また、レントゲン検査については当院で予約手続きを行いますので、紹介先の病院でお待ちいただく必要はありません。