パソコンのディスプレイに顔を近づけて、長時間座位でお仕事をされている方や、学生さんは多いと思います。猫背で背中が丸まり、頭が前へ飛び出したよく見かける姿勢になります。 極端なケースでは、肩関節が前方へ下方へ移動することで亜脱臼に近い状態になる方もおられます。腕が重たいだけでなく手が拳上しにくくなります。首肩部や背中の構造的疾患を形成する素因の一番は姿勢です。
猫背以外にも、構造的な問題を形成する姿勢はいろいろとあります。右手でマウスを持ちお仕事に集中するあまり右側に体重がかかってしまったり、ご自宅ではソファの肘掛けに右腕をのせ、知らず知らず片側(この場合は右側)に体重が乗りすぎて、ご本人に自覚は全くありませんが、この場合、右の骨盤側が下がっています。
骨盤の片側が下がると体全体が同じ方向に傾きそうですが、そうでないことが多いので気づきません。実は上半身が下半身の傾きの補正をしているのです。上半身でその下がった骨盤部の補正を無意識にするために、片側の肩が挙がったり、頭を傾けたりしてしまいます。このような姿勢の結果、首や背中の関節や筋肉が硬くなります。また体重がかかる側の骨盤部は緊張してきます。
一口に悪い姿勢と言いましても、本人が気づかないまま、片方に体重が僅かにかかり、上半身がその補正をする代償といった状態になっていることが多いのです。検査の際は、そのような問題があるかどうか丁寧に調べていきます。あれば自覚のない患者さんにお伝えし、説明することがとても大切になります。治療だけでなく、これから再発しないよう予防にもつながるからです。
肩こりや腰痛に悩み治療に通われている患者さんのなかには、「また戻る」 「すぐに戻る」なんて先生に不平を口にされたことはありませんか?(笑)
骨の位置はオートマティックに自動的に元の位置に戻ることは本来ありません。無意識な習慣により繰り返されることが多いのです。施術者側がそのような問題を見つけ、どうして元に戻るのか、そのメカニズム・過程を説明・治療していないのであれば、先生側はそのような不平を言われても仕方ありませんね。
次も本人は気づかれないことが多い、顎関節症が原因による首や頭の痛みを引き起こしていたケースも少なくありません。
首や頭をCT・MRIで検査しても異常なしと診断されると、何が原因で痛いのか悩まれることになります。意外にと思われるかもしれませんが、無意識に歯を噛みしめていたり、食事の際片側で噛む習慣があることで、噛み合わせが悪くなることで、頭や首が痛くなることも多いのです。
十分な睡眠や適度な運動をされているにもかかわらず、凝りや痛みが解消しない場合、自覚症状を原因から改善できるようカイロプラクティックの治療を受けられたらいかがでしょうか。