休日に魚釣りをして、翌日目が覚めると、親指から手の甲側がすごく痺れもう1週間になると、たいそう困った様子の60代男性がみえた。お話をよく聴くと、鮎釣り(アユの友釣り)を朝から夕方まで1日していたそう。
痺れている側の腕でずっと竿を握っていたらしい。このような行動の後、症状が出現したとなると病因のめぼしはつけやすい。絞扼性神経障害について知識があると、肘関節のあたりで橈骨神経の浅枝が障害されたのではないかと推測ができる。これが正中神経支配(前腕屈側の痛みと母指、示指、中指のしびれ)の症状なら、円回内筋による絞扼によるものが多い。
そこでトリガーポイントのように硬くなっている筋硬結を触れ治療することで、今回の鮎釣りの後遺症は嘘のように、その場で自覚症状は消失した。
このケースのように原因が明らかな絞扼性神経障害が治療が進めやすいが、RAや女性のホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみを原因とする突発性の手根管症候群ではすこし時間がかかることが多い。
小指のしびれは、胸郭出口からの問題を除外しさらに末梢レベルで考えると、「尺骨神経管症候群」と「尺骨神経溝症候群」に起因するものが多い。
尺骨神経管症候群は浅枝の障害で第4指と第5指に疼痛と知覚障害が認められる。深枝の障害では麻痺のみで疼痛の出現はない。尺骨神経溝症候群は、はじめに第4指と第5指に疼痛、知覚障害が認められる。知覚障害の範囲は尺骨神経管症候群とは異なり、手関節より遠位に認められる。
尺骨神経溝症候群、尺骨神経管症候群ともに京都南カイロプラクティックでは筋力テスト・パルペーション、モーションパルペーションによって検査後、治療を行います。