神経学テストは、中枢神経の障害と末梢神経の障害を調べる2つの検査に大別できます。
小指側の感覚がおかしいと感じたら、末梢神経では、頚椎下部(C8)の神経根症から、胸郭出口症候群、肘部管,尺骨神経管などのトラブルが主に考えられます。そこで障害の特定をするために知覚検査や反射検査、筋力テストなどの神経学テストを実施する必要がでてくるのです。
歩行状態がよろめいていたり、真っ直ぐ立ってられないケースでは、小脳機能の簡易な検査が必要です。深部反射や病的反射及び表在反射などは、主に錐体路系の障害が疑われるとき行います。このような場合、病巣が中枢神経にある可能性が僅かでもあれば、直ちに専門医の精査を勧めるようにしています。
上の写真は、聴神経を調べるリンネ検査(Rinne's test)を行っています。これは、音叉により空気伝導と骨伝導との聞こえている時間の長さを比較する検査です。正常では、気導による聴力のほうが骨伝導よりも長く聞き取れます。そうでない場合は、中耳や外耳道の障害が考えられます。また障害が頭蓋仙骨の硬膜系や、顎関節症を含む頭蓋骨縫合の機能障害に起因することもあります。臨床ではどれくらいの効果があったかを確認するために、施術の間に検査を行い最初の状態と比較します。アプローチが正しければ検査結果は、明らかに正常に近づきますし、患者さん自身でも改善が自覚できます。
右の写真はウェーバー検査(Weber's
test)を行っています。例えば右耳が詰まってような感じがして聞こえにくいといった訴えがあるとします。そのような場合この検査をすると、右側のほうが強く響くことが多いのです。左ではなく右です。正常では左右同じように響きます。施術のアプローチは上記と同様です。途中で確認のため再度ウェーバー検査を行います。最初、右だけが響いていた状態が両側に近づいてきたらこのまま施術を継続していくという方法をとります。
* 上の写真でモデル着用のレオタードは、治療プロセス及び身体の動き等を分かりやすく見るためであり、実際の治療で着用することはありません。
当院では、多くのカイロ専門のオフィス同様、患者さん用のガウン(後開き)に着替えていただきます。着衣の上からでは、正確な背骨・骨盤の検査及び治療が困難となるからです。